JEM-GLIMS
Global Lightning and sprIte MeasurementS (GLIMS) on JEM-EF
ミッションの解説
概要
JEM-GLIMS (Global Lightning and Sprite MeasurementS) ミッションは、地球の大気中で発生する雷やスプライト(雷放電に伴う高高度放電現象)を観測することを目的としていました。このミッションは、2012年11月に開始され、2020年に終了しました。JEM-GLIMSは、日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)が主導し、国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験モジュール「きぼう」に搭載されました。
JEM-GLIMSは、地球を周回するISSに搭載されており、地球の大気中で発生する雷やスプライトを高精度で観測するための複数の観測装置を備えています。これにより、雷やスプライトの発生メカニズムやその影響を解明することが期待されました。
観測装置について
CMOS cameras (LSI: Lightning and Sprite Imager)
JEM-GLIMSには、2つのCMOSカメラ(LSI: Lightning and Sprite Imager)が搭載されています。LSI1は765-830 nmの波長帯域を、LSI2は762±5 nmの波長帯域を観測します。これらのカメラは、33ミリ秒の時間分解能と地上での400メートルの空間分解能を持ち、雷やスプライトの詳細な画像を取得することができます。
6-channel photometers (PH: Photometers)
6チャンネルのフォトメーター(PH: Photometers)は、4つの狭帯域チャンネルと2つの広帯域チャンネルを持ち、視野角(FOV)は42.7°(PH4は86.8°)です。これらのフォトメーターは、50マイクロ秒の時間分解能を持ち、雷やスプライトの光強度を高精度で測定します。
VHF receiver (VITF: VHF Interferometer)
2つのVHF受信機(VITF: VHF Interferometer)は、70-100 MHzの周波数範囲をカバーし、5ナノ秒の時間分解能を持ちます。これにより、雷放電に伴う電波信号を高精度で検出することができます。
VLF receiver (VLFR: VLF Receiver)
VLF受信機(VLFR: VLF Receiver)は、1-30 kHzの周波数範囲をカバーし、10マイクロ秒の時間分解能を持ちます。これにより、雷放電に伴う低周波電波信号を高精度で検出することができます。
得られた成果
JEM-GLIMSミッションは、雷やスプライトの発生メカニズムに関する新たな知見を提供しました。特に、雷放電が大気中の化学成分に与える影響や、スプライトの発生条件についての理解が深まりました。これにより、気象学や大気科学の分野における研究が進展し、将来的には雷やスプライトの予測精度向上にも寄与することが期待されています。