SMILES

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Superconducting Submillimeter-Wave Limb-Emission Sounder (SMILES) on JEM-EF

ミッションの解説

概要

SMILES（Superconducting Submillimeter-Wave Limb-Emission Sounder）は、地球の大気中の微量分子の分布を高精度で観測することを目的としたミッションです。このミッションは、JAXA（宇宙航空研究開発機構）とNICT（情報通信研究機構）の共同プロジェクトとして開発されました。 SMILES は、国際宇宙ステーション（ISS）の日本実験棟「きぼう」の船外実験プラットフォーム (JEM-EF) に搭載され、2009年10月12日から2010年4月21日まで観測を行いました。 約 90 分で地球を1周する軌道上から、北緯 65 度から南緯 38 度の範囲の、高度 10 ～ 60 km の地球大気層を観測しました。

観測装置について

SMILESは、超伝導低雑音受信機と機械式4K冷凍機を宇宙で初めて使用した観測装置です。 この装置は、サブミリ波帯域を利用して大気中の微量分子が放射する電磁波を捉えます。 アンテナを地球の縁（Limb）に向けて、アンテナを上下に動かすことで、微量分子の高度分布を詳細に観測します。高度分解能は約 3 km です。 アンテナで収集された大気リム放射は、Submillimeter Receiver (SRX) に導かれ、そこで受信されたサブミリ波信号は、submillimeter-wave local oscillator (SLO) からの基準信号 (637.32 GHz) と合成され、集光ミラー、ワイヤグリッド、サイドバンドフィルタで構成される擬似光学系を介して SIS ミキサに導かれます。 SIS ミキサーは、アッパー・サイドバンド（USB：649.12 GHz ～ 650.32 GHz）用とローワー・サイドバンド（LSB：624.32 GHz ～ 626.32 GHz）用の2台あり、両方のサイドバンドを同時に 11 GHz ～ 13 GHz の中間周波数 (IF) 帯にダウンコンバートするために動作します。 IF 信号はさらにダウンコンバートされ、中間周波数増幅部 (IFA) で増幅された後、Radio Spectrometer (AOS) 内の2つの acousto-optical spectrometers で分析されます。

SMILES は、1周で約100点、1日で約1600点の観測を行います。これにより、地球の大気環境を詳細にモニタリングすることが可能です。観測データは、オゾン層の変動やその他の大気中の微量分子の動態を理解するために重要な情報を提供します。

得られた成果

SMILES の観測データは、オゾン層の変動や大気中の微量分子の分布に関する貴重な情報を提供しました。これにより、地球の大気環境の理解が深まり、環境保護や気候変動対策に役立つデータが得られました。特に、オゾン層を破壊する物質に関する国際的な規制の効果を評価するための重要なデータが提供されました。

参考文献